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本田技研工業の松田(1)らは、エンジン開発段階における方向性を明確にすることを目的として、スキャッタバンドの構築とそれを活用したエンジン諸元検討プロセスに関する講演を行った。排気量0.66Lから3.5Lの異なる諸元を持つ9台のエンジンを対象に、エンジン単体計測およびCFD解析結果を蓄積し、適切な指標の設定や正規化を行うことで、エンジン間の比較が可能なスキャッタバンドを構築した(図6)。これにより、開発エンジンの強みと弱みを明確にすることが可能となる(図10)。本手法により、開発エンジンの流動強化とオイルダイリューション低減に対する開発指針が明確となり、ピストン形状や燃料噴射制御に関する仕様選定をスムーズに行える結果に繋がった。今後、データ蓄積とともに、技術進化に応じてパラメータや指標を柔軟に設定可能な体制を構築することで、更なる開発の効率化が期待される。