本研究(4-1)は,再生可能エネルギーを利用した水素製造過程で生成される水素と酸素の双方を有効利用しうるエンジンとして,アルゴンクローズドサイクル水素エンジン(図4-1)に関する一連の実験研究(第1~3報)の第2報である.作動ガス中のAr比率を高めると,圧縮端温度の上昇によりノッキングが問題となる.これを回避するために本報では,可変動弁系を用いて実圧縮比のみを下げて高膨張比サイクルとする検討を行った.その結果,燃焼室容積および発熱ガス量一定,作動ガス中Ar比率100%で,吸気弁閉じ時期により実圧縮比を7.1から4.6まで低下させると,吸気ガス量の減少に伴う爆発度の上昇と燃焼速度上昇にともない等容度が向上し,図示効率はやや低い圧縮比(6.3~5.1)において高くなることなどを明らかにした(図4-2).(河崎)
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