TOP > バックナンバー > Vol.11 No.7 > 先進ガソリン機関技術 I

Vol.11 No.7

先進ガソリン機関技術 I
菊池 勉(本誌編集委員、日産自動車(株)) 

Tsutomu KIKUCHI (JSAE ER Editorial Committee / NISSAN MOTOR CO., LTD. )

講演紹介(1)

 桑原(1)は、ノッキング予測手法として知られているLivengood-Wu 積分に改良を加え、計算負荷が小さく、汎用的な高精度自着火予測モデルに関する講演を行った。今回は第6報として、今まで発表されてきた、①着火遅れ時間の総括式、②誤差補正式に修正を加えた。さらに総括式と誤差補正式を用いた遡り型Livengood-Wu 積分を提唱し予測精度の向上に効果的であることを検証し、これらの式の最終版を提示した。図1に結果を示す。左図はEGR なし、右図はEGRありの条件を示し、下段に示す本手法の効果は明確である。EGR無しで得られた誤差補正式が、EGR でも有効であるとの見解に関心を引く。進角誤差低減の効果が効きすぎて大きな遅角誤差が生じる場合が稀に見られると述べており、この理由を明らかにし、その要因を調整できる機能が追加することが期待される。

【参考文献】
(1) 桑原 一成:高精度エンドガス時着火予測モデルの開発(第6報)、自動車技術会2021年春季大会学術講演会講演予稿集、
No.20215001