TOP > バックナンバー > Vol.11 No.2 > 3 CI機関(2)
CI機関(2)のセッションでは4件の講演があり、すす生成過程のモデリング、軽質バイオディーゼル燃料の燃焼特性、バイオ燃料を適用したデュアルフューエル機関の燃焼特性、Dedicated EGRを適用したデュアルフューエル機関の燃焼特性に関する報告がなされた。その中から、Dedicated EGRを適用したデュアルフューエル機関に関する講演を取り上げて紹介する。
藤島ら(3-1)は天然ガスと軽油を燃料に用いるデュアルフューエルエンジン(DFE)の課題とされる希薄燃焼時の未燃排出増加による熱効率低下への対応策として、Dedicated EGR(DEGR)の適用を提案し、燃料改質気筒の運転可能条件やDEGRガスの組成を実機で調査した。当量比と生成されるH2、CO濃度の関係を図3-1に示す。当量比が高いほど、H2、COの濃度は高くなり、燃焼安定性が確保される条件(当量比:1.2、軽油噴射時期:-15 deg.ATDC)において、H2約5 vol.%、CO約7 vol.%が得られている。多段噴射を適用し早期噴射で軽油を筒内に拡散させ着火点を多点とすることで、より高濃度のH2とCOが安定した燃焼のもとで得られる可能性があると述べている。また、講演の最後にはDEGRガスを模擬した気体燃料を実機に供給した実験結果の一例が紹介されたが、今後、実験がさらに進められ、DEGRを適用したDFEの利点、課題等が明確となることに期待する。