着火・燃焼 1(Ignition 1)
中野ら(6-1)は,定容燃焼容器内に封入したn-heptane/O2/Ar混合気に対して,分子構造の異なる環状炭化水素を添加することで,低温酸化反応に及ぼす環状炭化水素の分子構造の影響について検討した.試験結果の分析には,飛行時間型質量分析計を備えた包括的2DGC(GC×GC-TOFMS)を用いた.
結果として,OOR'-R"OOH やHOOR'-R"OOHに至る低温酸化反応過程から生成されると考えられるheptanedioneの検出強度は,n-heptaneの骨格を有する他の含酸素炭化水素の検出強度とほぼ比例することから,n-heptaneの低温酸化反応の進行の指標となり得ることを示した.(図6-1)(林)