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桑原(1)はノッキング予測モデルの開発について発表した。発表者がこれまでに構築した予測式では圧力が6MPaを上回る領域では着火遅れ時間を精度よく予測できなかったが、その領域にも適用できるように予測式を改善し、その結果予測値と詳細反応機構から得られた着火遅れ時間との差を±10%に抑えることができた(図1)。高圧側に適用範囲を拡大することで、高圧縮比エンジンや過給エンジンへの利用が期待できる。また、反復計算が不要な誤差補正を予混合圧縮着火とエンドガス自着火それぞれに設定して用いることにより予測誤差を低減できた(図2)。
西村ら(2)は吸気管噴射用マルチホールノズルから噴射される燃料噴霧の噴霧分裂モデルを開発した。噴霧液膜から分裂した液糸がさらに分裂して液滴を形成する過程に注目し(図3)、液糸端面から分裂して生じる液滴の径が液糸の他の部分から生じる液滴の径よりも表面張力の作用によって大きくなることを考慮したモデルを構築した。モデルによる計算は液滴の粒径分布の実験結果を再現することができた。また噴射圧を変化させたときの粒径分布への影響を再現することができた(図4)。
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