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EV・HVシステムセッションでは、EV化の方向性を左右するようなシステムがらみの話題3件と車両や車輌の性能を左右する要素の評価法や性能改善手法など様々な4件の発表があった。技術的には興味深い発表もあったが、ここではEV化が難しいと考えられている大型車輌に関する発表を紹介する。
大型車輌、特に流通の中心である高速道路走行を主とする大型貨物車は、電費への寄与度が高い勾配の影響が、電池への回生によって低減されることが期待されたが、風損を含む走行抵抗が大きいことがこの効果を限定的にすることが指摘されており、大量の電池が必須なことからBEV化には困難が多いとされている。 田島ら(1)は、従来、乗用車用として検討してきた道路横(ガードレールの位置)の接触式給電システムに対応の大型車輌について述べた。高速道路のインターチェンジ間の一部区間で大容量据え置き電池システムから剛体架線・車輌側のローラ接触子を経由して、走行/充電電力を車輌に給電するシステムは従来と同じで、検証用に試作した図1に示す構成の大型車輌を紹介した。乗用車では区間の5.3%とした給電区間は大型車では約30%(図2)とし、最大450kWの給電を想定している。給電時の制御をになう車輌側のダイナミック・チャージ・コントロール・ユニット(DCCU)の電圧、電流、電力の各制限・制御動作を試走路の給電区間で確認している(図3)が、区間が短いこともあり能力の確認までには至っていない。今後、実用時の課題の検討が可能な詳細な検討が可能になることを期待したい。