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田中(トヨタ)ら(1)は新開発L4 2.4L 過給ガソリンエンジンの開発について講演を行った。特筆すべき技術としては、直噴インジェクタを燃焼室中央に配置し(図1)、スプレーガイド燃焼を用いて触媒暖気時の燃焼を安定化させている。膨張行程の燃料噴射と点火を同時に行い、予混合気に火炎核を形成し、噴霧のエントレイン流により火炎核が伸長することで(図2)、点火遅角時に安定した着火が可能になるという。走りに対しては、最大トルク430Nm、最大出力205kWを達成、過渡レスポンス向上のため、ターボの改良を行っている。また冷間時に、冷却水路を遮断する多機能弁を使ったヒートマネージメント等により、最大熱効率38%を達成したと報告があった。
松岡(日産)ら(2)は新型1.5L 3気筒 可変圧縮比エンジンの採用技術について報告した。前型2.0L 4気筒エンジンの可変圧縮比機構のジオメトリはそのままに3気筒エンジンとしている。また今回の新型には、吸気経路中にAdmission Valveを設けたLP-EGRシステム(図3)を採用している。この広範囲の運転領域で導入可能なEGRと可変圧縮比の組み合わせは、負荷条件により最適な組み合わせがある。その圧縮比とEGRを最適に設定することで、高い熱効率を広範囲で達成でき、また高負荷の排気温度を下げてλ=1の領域拡大に貢献したという。図4に圧縮比とEGR率の設定マップを示す。可変圧縮比技術を活用した、更なる高効率エンジンの進展に期待したい。