TOP > バックナンバー > Vol.11 No.2 > 1 SI機関(1)(2)
安武ら(1-1)は「ガソリンへの異種燃料成分の混合がリーンバーンSIエンジンの性能に与える影響」と題して講演を行った。サロゲート燃料(S5H)とS5Hにシクロペンタン、フラン、ニトロメタンそれぞれを混合したCP50、FR50、NM50の合計4種類の燃料にて実機試験を行い、リーンバーンエンジンのリーン限界や熱効率、ノック発生率に与える影響を明確にしている。図示熱効率はFR50、CP50、S5Hの順に高く、NM50はS5Hと同等だと言う。また各燃料の点火時期とノッキング発生率の関係は、図1-1に示すようにλ=1.0の場合とλ=2.0の場合により、変化が生じるとの報告があった。
渡邊ら(1-2)は「筒内直噴ガソリンエンジンの微粒子排出特性に関する数値解析」と題して講演を行った。本研究では、すす生成予測モデルを用いて数値計算を行い、実験結果の再現性を検討している。図1-2に排気弁開時における、燃料噴射時期に対するすす排出量の計算結果と実験結果を示す。計算結果の冷却水温度303K条件では、吸気行程初期噴射条件ですす排出量が少なく、実験結果のようなバスタブ特性から乖離している。その理由について、燃料液膜、燃料液滴温度、噴霧衝突時の液膜形成等を検討し、本研究条件では壁面において蒸発しやすい状況であり、計算結果としては、すす排出量が少ない結果となったと考えられるとしている。今後に期待したい。