システムズエンジニアリングシンポジウム~複雑化する開発に組織として対応するために~ を開催いたします。
システムズエンジニアリングシンポジウム ~複雑化する開発に組織として対応するために~
環境負荷の低減,安全な自動運転などに関する社会からの自動車への期待は高まる一方であり,自動車産業を取り巻く環境は今後,ますます厳しくなると考えられる。こうした環境の中で,自動車あるいはそれに関連するサービスを成功裏に世の中に提供し続けていくには,これらをシステムとして考え,それを実現するアプローチとしてシステムズエンジニアリングを用いることが有効になると考えられる。そこで,プログラム〈システムズエンジニアリングシンポジウム〜複雑化する開発に組織として対応するために〜〉を秋季大会中に企画する。専門領域をまたぐシステムズエンジニアリングの実践に関する講演に加え,組織へのこのアプローチの導入に関するディスカッションを行う。開発に携わるエンジニア,マネジメント層の皆さんにご参加いただきたい。
開催日時:2023年10月12日(木)9:30-12:15(予定) 3号館3F 国際会議室+オンライン聴講
参加費無料・要参加登録(※学術講演会の参加登録がお済みの方は別途の登録は不要となります)
プログラム(予定・講師敬称略):
9:30-9:40 開会の挨拶
9:40-10:10 車両リモート空調システムを対象とするMBSE適用の取り組み
鈴木 祐、黒川 裕章、本多 清二(トヨタ自動車株式会社)
近年、車両システムは急激に高機能化・複雑化しており、車両システム開発の更なる効率化が求められている。そのため、現在開発関係者の間で起きているシステム要求の認識齟齬によるやり直しや、要求変更時の影響範囲抽出漏れといった実務上の問題解決にMBSEの考え方や手法を適用し、その有用性を示す必要がある。今回スマートフォン、サーバや様々なECU間で通信するといった複雑性を持つリモート空調システムの要求仕様書設計を題材としてMBSEを適用した結果を報告する。
10:10-10:40 パワートレインとADASへのSE/MBSE適用に際しての課題分析と効果
菖蒲 豊(日産自動車株式会社)
パワートレイン(PWT)とADASという異なるドメインのシステム開発にSE/MBSEを適用する活動を推進してきた中で見えてきたその効果と課題についてお話する。SE/MBSEをテーラリングして適用するには、対象のシステム、開発プロセス、実施する組織を含めた現状の課題分析を行った上で、これを推進する必要がある。13年間SEの取り組みを続けてきたPWTと取り組み始めて5年のADASの両者での開発事例を紹介し、開発改革の難しさや課題、適用に際しての注意点やその効果について述べる。
10:40-11:10 SysMLv2へ – v1との違いと新標準から見るMBSEの進化
Thomas BRUN、河村 憲(ダッソー・システムズ株式会社)
MBSEの実践を支援するシステムズモデリング言語SysMLは、現在大きく進化しようとしている。2023年7月、新しい標準仕様SysMLv2のベータ版が、標準化団体OMGより発行された。SysMLv2では、利用性、表現力、拡張性等を高める言語体系とし、エンジニアリング活動に必要な情報との相互運用性を確保するAPI仕様を標準化している。SysMLの成り立ち、SysMLv1との具体的な差異を含めたSysMLv2の内容、そしてv2への移行の必要性やその狙いについて解説する。
11:10-11:20 休憩
11:20-12:10 パネルディスカッション:複雑化する自動車開発への対応
パネリスト: 上記講演発表者に加えて、中澤 孝志(日立Astemo株式会社)
モデレータ: 西村 秀和(慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科)
12:10-12:15 閉会の挨拶
主催:公益社団法人自動車技術会
共催:慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科
後援:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)
監修:一般社団法人JCOSE