TOP > バックナンバー > Vol.13 No.3 > CI機関(その2)
木下ら(1)は燃焼室壁面へ衝突する火炎の熱伝達現象を時空間的に解明するため、定容容器を用いて可視化試験を実施した。クロム放射膜を施した石英ガラスに火炎を衝突させ、クロム膜からの赤外放射を火炎衝突面の裏面より高速度赤外線カメラにて撮影した(図1)。観察用に加工してある衝突面と実際のピストン表面の違いを考慮するため、熱拡散率や表面粗さを実機のアルミピストンに近づけた単結晶シリコン窓も試験した。観察画像から、赤外放射は中心から筋状の広がりを示し(図2)、噴射、雰囲気条件違いで強度は違うものの、筋状パターン自体には差が見られなかった。試験条件が異なっても同一の筋状パターンが観察されるため、エンジン諸元や運転条件違いでもこのパターンは現れる可能性があり、壁面付近の流体の乱れの構造に起因すると示唆される。
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